杭瀬中市場の一角にあるのは、古本屋「二号店」。「毎日イベントをしているような場所を」というコンセプトのもとに生まれた同店では、なんと地域住民が日替わりで店番を担当しています。メンバーや杭瀬のまちとともに「#ヤバい」成長を続けるお店の魅力について、店長の三鼓さんにお話を伺いました。
毎日イベントのような古本屋を作りたい
三鼓さんは古本屋「みつづみ書房」を営むかたわら「二号店」の店長を務めています。2021年3月、杭瀬中市場内に「二号店」を開いたのは、古本屋だからこそ知る悩みがあったからだと言います。
「駅など人の往来があるところであれば、古本屋にもたくさんの方が立ち寄ってくれます。しかし、駅や商店街から遠い古本屋では、どうしても客層が限られてしまうという現状がありました。普段古本に触れることのない方にも気軽に来店してもらえるような古本屋を作りたいと思ったんです。」
数人の古本屋仲間との会話の中から生まれたアイデアをもとに、市場と商店街があることで人の往来が期待できる杭瀬の地で空き店舗を探すことに。
「杭瀬市場の方に事情を話したら『絶対やろう!』とノリノリで協力してくださったんです。当時はまだ始めるか迷っていた段階でしたが、みなさんの背中の押し方が尋常ではなく、いつの間にか引くに引けない状況になっていました(笑)。」
お店を支える仲間「ロッキンチェアーズ」
町の人々の協力もあって実現した古本屋「二号店」のオープン。店内には、複数の古本屋が厳選したおすすめ本が並びます。そして店員を務めるのは「ロッキンチェアーズ」と呼ばれる顔ぶれ。自分がシフトに入りたい日を自由に決めるスタイルが、開業当初から続いています。
「開業前は営業日を土日に限定して、店内に本を置く古本屋が交代で店番をすればいいかなと思っていました。開店準備で行った本箱作りのワークショップでたまたまその話をしたら、参加者の方が『なら私がやります!』といって協力してくださったことが『ロッキンチェアーズ』の始まりです。」
そうして結成された「ロッキンチェアーズ」は、いつでもメンバーを募集中。今でもお店に来た人やメンバーの知り合いに声をかけ、二号店を取り巻く人の輪を着実に広げています。お店のコンセプトへの賛同者が増える一方で、「商売として継続させること」がまちづくりを行う上では欠かせない要素だと三鼓さんは話します。
「まずは『継続させること』が何よりも大切。色々な人の居場所だからこそ、商売として続けられなければ守っていくのは難しいんです。」
利益を得ることだけを目的とするのではなく、居場所を守るために古本屋として営業をする。そうやって魅力的な場所であり続けることで、お金が循環するだけでなく、人の輪も広がっていきます。
「市場を訪れた人がふらっと店内に入れるのは、この店ならではの強みです。イベントも開催しながら、今まで杭瀬市場に来たことがなかった人に興味を持ってもらうきっかけを作れたらいいですね。」
二号店の「#ヤバい杭瀬」ポイント
最後に、「二号店」の「#ヤバい杭瀬」ポイントを伺いました。
「『トイレが成長すること』ですかね(笑)。」
トイレが成長する…?一瞬耳を疑いましたが、二号店のトイレには壁一面に黒板があり、利用者は自由にチョークで書き込みをすることができるのです。
「二号店のトイレを店員だけではなく、お客さん含めて成長させていく。色々な人を受け入れる場所だからこそできることですよね。」
店員もお客さんも自由に出入りし、関わる人全員でトイレとお店を成長させていく。
古本屋「二号店」の新たなまちづくりの形が杭瀬のまちに広がっていきます。
店舗名 | 二号店 |
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ジャンル | 古書店 |
営業時間 | 11時〜16時 |
定休日 | 木曜・不定休(店番不在時) |
店舗住所 | 日本、兵庫県尼崎市杭瀬本町1丁目18−12 |
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